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2004年7月 1日 (木)

エコー

午後から超音波検査。手続きを済ませたあと、廊下で2時間近く待たされた。緊張はピーク。次々と人が呼ばれ、検査室へ入っていく。最後の3人になったところで、ようやく名前が呼ばれた。

胸に温かいゼリー状の潤滑液を塗られ、検査がはじまった。「先生、やっぱり癌かなぁ?」と問いかけても「う~ん」と言ったまま答えてくれない。しばらく検査を続けたあと、「ちょっとみてみる?」見たくないけれど、そういわれると断れない。「これが正常な乳腺、これがしこりのあるところ」と言って画面をみせてくれた。その部分だけ、ぼんやり黒い空洞ができている。「念のため、細胞検査をしましょう。もう一度呼ぶまで廊下で待っててください。」

名前が呼ばれるまで廊下で待っていると、私のほかにもう一人おばさんが座っている。顔は真っ青。「いっしょかぁ~。なんだか全部悪いほう悪いほうと進んでいるなぁ」。さらに1時間ほど待たされたあと、名前を呼ばれて中へ。太い注射針ついた機材を持ってきてその場でブスリ。2回ほど痛みがはしった。

洋服を着ながらもう一度「やっぱり癌ですか?」と尋ねた。先生は腕組みをしてしばらく考えた後、「普通、悪性のしこりって、もっと石のように硬いんだよね。触っただけで、みるからに“悪い”っていう感じが伝わってくるんだよ。でもね、君のは柔らかいんだよね。“しこり”っていう感じじゃなくて、なんか溶けかけの“グミ”のような感触。癌の場合は、触ったときがっちり固まって動かないんだけど、君のは良く動くんだよね。ちょっと今までにない感触なんだよね。感触だけでは悪性とは判断しかねるんだよね。まあ、細胞針をやれば結果ははっきり出るから。下で外来の手続きをして帰ってね。」そういわれてフラフラと帰宅。

エコーの画像が頭から離れず、Y君に「たぶんクロだわ」メールを送ると、すぐに返信が入る。「大丈夫だから落ち着いて」。落ち着いた。

その夜、帰宅したY君にすべての結果を報告。「まあ、細胞検査の結果がでるまでは気にしないで。結果がでてから考えれば良いんだから」。それでも、夜、このまま眠りに落ちるのが怖くて、ほとんど眠れなかった。

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