素敵な出会い
午前中はサタサポ。T谷さんが地元名物のドラ焼きを持ってきてくれて、これが旨いのなんの!外側ふっくら、あんことの間の層はしっとり、私はうっとり。食欲に負けて半分食べたところで我に返り、“そうだ!ブログ魂!”あわてて撮影。
サポート会の様子を某メディアの人が取材に。サバイバーとして、私を紹介するとのこと。話を聞けば、癌医療に関する特集を考えていて、現在その企画、視点を模索しているとのこと。たくさんの癌患者、癌医療関係者の意見を聞きたいということだったので、それならばと、昼食会へお誘いした。
私は視聴者の多いマスメディアにでるときは、自分の意見100%に癌患者全体の意見を30%加えて話すよう心がけている。この30%の意見は、癌友との対話からひろいだす。
長い間癌と共存している人、初発の人、若い人、高齢の人、皆、それぞれの人生の中で培ってきた人間としての“観”から、自分の病気と向き合い、考えてきた人ばかりだ。私は、こういう人間の思考経験というか、消化してきたその人なりの答えというものに、教えられ、支えられいる。一つ一つ違っていて、光っていて、、、“人間って凄い!”と素直に感動する。健康な人にも伝えたいと思う。だから、なるべく多くの癌患者が“語る”機会を提供したい。
癌患者は皆、考えているのですよ。
午後は、NEW癌の薬剤療法(化学療法・ホルモン療法、術前・術後、転移後)勉強会へ参加するために青山へ移動。
化学療法に関してはもう終わってしまったことだから、今さら言っても仕方がない。転移後の薬剤療法の内容については、勉強になった。それからホルモン療法。ゾラ注2年と5年のエビデンスの差については、臨床試験の結果がないとのこと。これにはがっかりした。理論上は効果があると思われる組み合わせが、エビデンスは劣っていたり・・・。癌治療の「不確実性」をみせつけられた感あり。ただ、治療方法はいろいろとありそうだ。
2時間30分の勉強会の後、懇親会へ。実は、1昨年のNスペ・スタジオで一緒だった人と、挨拶がてら意見を聞きたかったのだ。1人で参加だったけど、「まあ、行ってから知り合いをつくればいいや」と軽い気持ちで出席。
La Porte 青山でチョコを買っていたら遅くなってしまい、ギリで懇親会の会場入り。たまたま空いていた席につき、隣の人としばし歓談。そういえばメーリングリストで「羽田に13時に着くので、少し遅れるが参加してよいか?」というレスがあったことを思い出した。「ひょっとして・・・?」と聞けばビンゴ!彼女がその人だった。不思議な縁。
彼女は腰椎に転移がわかり、その治療方法、タイミングについて、セミナー会場で質問をしていた。ああいう場で手を上げて質問をすること自体、ものすごく勇気のいることだと思う。病気と真正面から向き合うその姿に共感を覚えていた。(彼女が質問をしている間、私の隣に座っていたばばー、、、ご夫人は友人としゃべりっ放し!人の痛みを理解できないジコチュー患者ってサイテー!)
身体の痛みだけではなく、心にも大きな痛みを感じていたはず。同病者との顔を合わせての話ができる環境。癌、転移を、普通の病気として話ができる環境。辛いときに辛いと言える環境があるのと無いのとでは、気の持ちようが大きく違うはず。大きな瞳から涙をポロポロと流す彼女の姿、心をみて、思いっきり抱きしめたくなった。
世の中には、再発・転移をしても、そこから立ちあがって、豊かな人間性を身につけている人がたくさんいる。ネット上にはたくさんの仲間がいる。どんどん仲間を増やして欲しい。仲間をつくって欲しい。今、生きているということは唯一の事実。決してひとりではないのです。
もしこのブログをみてくれたら、苦しいときは思い返して欲しい。
《Cancer Survivorship》
「Cancer Survivorship」は、1986年に米国のNCCSが、新しい癌生存の概念として打ち出したもので、
「長期生存を意味するだけのものではなく、癌という疾患や治療効果の有無ということを越えて癌と診断された時から人生の最期まで癌生存者であり続ける」
医学的見地から5年生存率や治療効果を評価した生存期間を重視するものではなく、発病し、癌と診断された時からその生を全うするまでの過程を、いかにその人らしく生き抜いたかを重視した思想です。
高い生命の質の確保、家族を含めた地域支援、偏見のない社会、癌研究と教育の普及などを視野に入れています。
厳しい病に侵され、社会的な偏見にさらされてきた癌患者が、人権やQOLを問い、癌と共存し、意味ある人生を生き抜くという能動的な姿勢がそこにあります。
生きることに全力を尽くそうね!
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コメント
。。。。yes。。。。
・・・・・・
「人生の最期まで癌生存者であり続ける」
・・・・・・
涙が出たよ・・・・
弱虫になんかなるもんか・・・・
頑張るんだ・・・・
張りつめた気持が柔くなりました
投稿: ムク | 2006年2月19日 (日) 12時00分
ホントた、ホントだ。
ガンに限らず、治りにくい病気や不治の病、後遺症のひどい病気、いろいろあるけど、どんな状況にせよ、前を向いて歩いていかないとね。
医療現場でも、ガン患者で元気がいい人をうまく雇用して、役立てて欲しいと思ってしまうよ。
やっぱり、して欲しい事が言わなくても分かるもん。すんごいありがたいのよね、そーゆーことって。
投稿: rider | 2006年2月19日 (日) 12時03分
毅然として、死ぬまでは生きていようと思う。
死ぬまでは生きているなんて当たり前と思う人もいるけれど、
決してそうではないんだから・・・
私は頑張りませんが、自分のスタイルは謙虚に模索し続けます。
投稿: yann | 2006年2月19日 (日) 13時35分
私も勉強会&親睦会参加していました。きゃんべるさんにお会いしたかったです。残念!
どこらへんのお席でしたでしょうか。私は徳永先生の前あたりです。
投稿: tumabuki | 2006年2月19日 (日) 16時14分
再発という言葉が心の隅に居座りながらも
病気が嘘だったかのように元気になると
人の痛みも忘れてジコチューになりそうな自分が居ます。
きゃんべるさんのお叱りしっかり受け止め
癌生存者として人生の最期まで自分らしく生きる努力をします!
投稿: のほほん | 2006年2月19日 (日) 17時55分
感動です・・・癌が体内にあっても人間、生きているのよ。生きる権利もある、特別視されるいわれは無い。死ぬまで人間!
今この瞬間が苦しくないとつい他人の心の痛みも忘れてしまいがちな自分が怖いです。
抗癌剤治療後、標準治療として「抗ホルモン剤」を飲んでいるのに臨床データが確立されていないなんて。でも止める勇気はありませんが。きゃんべるさんメディアへ出られるときは予告よろしく。
投稿: メリー | 2006年2月19日 (日) 18時31分
生きることに全力を尽くす・・。
今の私に必要な言葉でした。ありがとうございます。
投稿: カラカラ | 2006年2月19日 (日) 22時54分
>ムクさんへ
まあ、気張らずに。弱いときもあるのが人間ってなもので。
>riderさんへ
“してほしいことがわかる”そ-なんですよね。だから一緒にいると安心しちゃうのかなー。日常会話で癌話ができるもんなー。ふつーの人が聞いたらぜってーひく!
>yannさんへ
私も“自分らしさ”というヤツは貫き通したいですな。尊厳っちゅーか。それが何なのか、まだよーわかっていないのかもしれませんが。
>tumabukiさんへ
えええー行ってたんですか?私は高野先生の机だったので、背面ですね。なんか変なヤツがいませんでした?それ、私です。
>のほほんさん
ホント!喉元過ぎれば、、、ってヤツで。患者会などへの参加は、能天気な自分への戒めdayになってます。
>メリーさん
そうなんですよ。ホルモン療法なんざー大昔からやっている治療方法なのにね。あと、腫瘍内科医と外科医の考え方の違いっつーのも感じちゃいました。
>カラカラさんへ
全力・全力って、あまり気張り過ぎてもなんなんですが、、、ただ、やりたいことを後回しにしないだけでも意味があるかな?と。
投稿: きゃんべる | 2006年2月20日 (月) 08時14分
きゃんべるさん、懇親会ではお世話になりました。昨日地元に帰ってきて、遅くなったけど今このブログを見てまたまた泣いちゃいました。(T_T)
私も喉元すぎたらって感じで5年過ぎたら術前の生活に戻って能天気に生きてたくちです。再発したことで自分の人生とか将来とか改めて考えてます。オフ会もしばらく遠ざかってて同病の方とお話することなかったから今回は行ってすごく良かったと思ってます。懇親会のときは食べるのも忘れていろんな状況の方とお話できてとても勇気づけられました。頂いた
名刺にあった《Cancer Survivorship》心に刻みます!また遊びに来ますね!どうもありがとう♪
投稿: NAO | 2006年2月21日 (火) 23時34分
わお、NAOさんこんにちは!
笑いは免疫力を高めます!泣かずに笑い飛ばしちましょう!
投稿: きゃんべる | 2006年2月22日 (水) 15時11分