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2006年3月29日 (水)

がん社会学

ちょっと面白い資料をみつけました。がん社会学(がんと向き合った7.885人の声)。TOPページからがん情報を得る⇒患者さんの悩みと解決法、にPDFがあります。詳しく読みたい人はそちらへどうぞ。

癌患者が診断を受けとめから、何を考え、どう行動し、何に悩んだか、そして、解決するために何が役に立ったかについて7.885人の癌患者にアンケート調査をした結果をまとめたもの。究極の癌体験データ集。時系列で追っているところも面白い。

中身を読んでみると、「うんうん!」の大納得ものもあれば「そうかなー?」ってなものも。ってのは、やっぱ癌っちゅー病気は「高齢者の病気」なので、回答者も当然そういう世代の人が主体でして、、、若年性癌患者とはちと社会的な状況なんぞが違っちょるんですな。

因みにアンケート回答者の属性は、30代癌患者は5.6%、40代は15.1%。説明には「がんが高齢者の病気であることを反映し、40歳以上が91.2%、1番多いのは60代である」とある。とほほ、俺っち希少種。まぁマレマレマレーシア人だから仕方がないな。とにかく細かいデータは豊富です。

で、読んでいて興味深かったところをピックアップすると、、、

■「お勤めの方」へのアンケート結果

  • 34.7%が“依願退職”あるいは“解雇”
  • 自営業の30.7%が“休業”、“従事していない”、“廃業”、“代替わり”の状態
  • 癌が職業の継続に影響を与えているものと推測される

自分の場合も、“退職”までいかなくても、役職からは降りたしなー。術後後遺症のこともあるし、キャリアプランには大きな影響を与えている。だいたい30-40代って、社会的には1番充実した、充実させたい時期ですよね。でも30%以上の人が仕事を辞めたという結果には驚き。

■癌体験者が必要と考える対応策

  • 「悩みや負担などの軽減のために必要な対応策」の第1位は、じゃじゃーん!「自身の努力による解決」がダントツに多い。

⇒この結果、なんか日本人らしい回答だなぁと思うのは私だけでしょうか?自己責任、自己解決、、、うーむ。他力本願寺なわたしを反省(←嘘、そんな気ない)。

  • 具体的に何が必要か?との回答に「“こういうことが大切である”と自らの体験を語る回答が多くみられた」。つまり、「自らが体験した悩みの解決につながる方法を、次の世代に伝えたい意思が働いている」ようにみえる。

⇒これはわかる気がする。ブログだってそんなもんだし。でも、誰かに伝えたいという気持ちと同時に、“自分に言い聞かせている”のではないでしょうか。

  • 患者支援団体の自由回答は、入院中に知り合った同病者と話すことや患者会に所属することが支えになるという回答が中心。患者会などに属することで、①自分の話を聞いてもらえる、②精神的なバックアップを受けられる、③必要とする知識を得られる、④健康な人にはわかってもらえない思いを共有できる、という4つの利点をあげる人が多い。

⇒ウエルネスやネット患者会、ネットで知り合った癌友(キャンサー娘。)がそうだな。利点としては、、、私の場合は④が大きいかな。あとは②、あ、③もあるなー。①もか。あれ、全部だ!私の周りは、ぱじゃまを脱いで働くG患者の先輩が多いので、「カベ」にぶち当たったときの指南役、心の支え効果が大きい。

■悩みや負担の分析例

  • 予想通り、ダントツで「不安などの心の問題」がTOP。2位が、「症状・副作用・後遺症」。順位は変わりませんが、時間が経つにつれて「症状・副作用・後遺症」の割合はかなり増えてきます。
  • 3位が「家族・周囲の人との関係」、4位「就労・経済的負担」、5位「生き方・生きがい・価値観」と続きます。
  • 「就労」に関しては、「仕事復帰・継続への不安」の他、職場で癌を理解してもらえないなど「職場での人間関係」など。

⇒「症状・副作用・後遺症」俺っちの場合はホルモン療法の副作用やリンパ浮腫などが該当。「心の不安」は、病気や治療方法を理解したり、同病者の仲間を得ることで、診断当初と比べて安定してくるのは事実。肝が座るというか、覚悟が決まるというか。このブログも診断当時と比べると、かなり文体が和らいでいると思う。

⇒「仕事復帰・継続への不安」これは、働き世代癌患者がみんな直面するカベなのではないでしょうか。事実、私も直面したばかりだし。要は自分の中での「仕事」の意味や重みをどのように考えていくのか?ということかな。

⇒「職場での人間関係」 私は、かなりオープンに自分の病気を公表しているので、「職場で癌を理解してもらえないなど」ということは、病名を隠して働いている人と比べれば少ないと思う。ただ、「芯」の部分まで全て理解してくれ、というのは無理でしょう。違和感や温度差を感じてしまうことはしばしば。家族を背負った働き盛りパパは大変だと思う。昇進などにも影響するでしょうし。

20060328

資料にも書いてあるけど、確かにこういった調査って行われていなかったと思う。ただ、やはり世代によって背負っている社会的な問題は違うわけで、そこが分析されていないのはちょっと残念。

「がん社会学」ってちょっと良いタイトルだなと思いました。柳原和子さんの本で「がん患者学」っていうのもありましたね。

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コメント

>これはわかる気がする。ブログだってそんなもんだし。
>でも、誰かに伝えたいという気持ちと同時に、
>“自分に言い聞かせている”のではないでしょうか。

大いに納得です!
「自分に言い聞かせている」部分大きいですね。

それにしても、きゃんべるさん!メチャクチャ忙しいのにこんなの良く見つけてきますねぇ・・・
(きゃんべる家を覗くと色んな知識を得られてこっちは楽チンですが)
ちょっとはの~んびりと過ごす時間あるんですか?
脳にも身体にもゆっくりする時間をあげてくださいね。

投稿: のほほん | 2006年3月29日 (水) 11時02分

わかりやすくまとめていただいて、ありがとうございます。
私もこういうアンケート、がん告知されてすぐのころ、読んだような気がします。
そのときは、「他の人がどう思ったかなんて、カンケーねーんだよ・・・」みたいな気持ちが強く、あまりまともに読まなかったのですが(^^;;
今読むと参考になるかも。

投稿: yue少納言 | 2006年3月29日 (水) 14時30分

癌って高齢者の病気だったなんてしらなかった。結構ショック。私の細胞は老化してるのかな(~~)がん社会学ためになりました。こんど本読んでみよ~。

投稿: さかな | 2006年3月29日 (水) 18時45分

こういうアンケートに自分を当てはめてみるのって
客観的に自分の病気を見ることが出来ます。
私は特に、「がん」と言う事に無頓着になっているので....
こんな事じゃいけないんですけどね(-_-)

投稿: がんこ | 2006年3月29日 (水) 19時12分

はじめまして。いつもレスしてます。
オレも昨年の秋、33歳で癌の診断を受けました。
部位はちがうけど、きゃんべるさんのブログをみて勇気をもらってます。オレももうひとふんばりしなきゃ。

投稿: mix999 | 2006年3月29日 (水) 20時29分

>のほほんさんへ
ふふふ、これは時間があったときに書きとめておいたのさ。「脳にも身体にもゆっくりする時間をあげてくださいね」うん!ありがとう!

>yue少納言様
何故か「少納言」と入力すると「さん」じゃなくて「様」をつけたくなります。
私もしばらく体験本は封印してました。で、今、ブーム到来。意外に良いです。みんな葛藤している。別館で「癌文庫」もやってるんですが、最近、更新さぼりまくってますー。

>さかなさんへ
この手の本を読むと、必ず「高齢者の病気」って書いてあって、フリーズしちゃうんですよねー。私ら世代の癌社会学を研究した人って少ないんじゃないかなー。

>がんこさんへ
癌患者であることを忘れる時間も必要だと思っちょるんですが、完全に忘れてもいけないなーと思ってますー。このさじ加減がむじゅかしー。

>mix999さんへ
はじめまして。今も治療中ですか?
私のブログなんぞで元気になるのなら、いっくらでも見てっておくなせーまし。若年性癌患者。ネット界にはたくさんいますよ!

投稿: きゃんべる | 2006年3月29日 (水) 21時04分

癌患者であることを忘れる時間も必要、というよりも、そのように意識的になる必要もなく普段は忘れています。
「nyancer-net STYLE」は自分のそういう部分を戒めるためのものでもあるわけですが、病気に対する意識のありようは百人百様ですなー。

投稿: yann | 2006年3月29日 (水) 22時08分

>yannさんへ
ほんまにのー。私は結構常に考えてるタイプだから、積極的に忘れる時間をつくらんと、ずーーーーーーーーーと癌のことをかんがえてまうのであったとさ。
7885人、7885人の癌との付き合い方があるというのが本当のところでしょうが。

投稿: きゃんべる | 2006年3月29日 (水) 22時30分

婦人科は自分で動ける人が多かったですけど、基本的には年寄りが多いですよね、ガン患者って。

5.6%の30代と40代の15.1%に絞ってアンケートをとったら、違う結果になる気もします。

私の場合、子宮ガンって言うと「もう子供が生めないじゃん」とか平気で言われるので、ちっと辛い部分もあります。
だから人を選んで、場合によってはカミングアウトするけど、まあ、基本的には黙ってますね。

投稿: rider | 2006年3月30日 (木) 15時00分

プリントアウトしてゆっくり勉強させていただきます!

投稿: hhitomii | 2006年3月30日 (木) 20時44分

>riderさんへ
“5.6%の30代と40代の15.1%に絞ってアンケートをとったら、違う結果になる気もします。”

同感!私もそう思います。だって社会的な環境が劇的に違いますもの、シルバーとは。予後の長さといい。

>hhitomiiさんへ
どうぞ、どうぞ。すっごく細かいデータ集ですよ。因子の解析方法も変わっているし。

投稿: きゃんべる | 2006年3月31日 (金) 00時23分

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