柳原和子さんのこと
先週、柳原和子さんの訃報が朝日新聞に小さく載っていたが、昨日の朝日新聞夕刊の<お悔やみ欄>には、とびきりの写真とともに記事が掲載されていた。
柳原和子さんには、昨年の冬、お会いしたことがある。あるレセプション(当然、柳原さんは受賞者)だっだのですが、私は、『百万回の永訣』で受けた衝撃と感想を伝えたくて、図々しくもお声をかけさせて頂いたのだ。
そういえば、がん罹患から1年後、私が「闘病記本ブーム」に陥っていたころ、がん患者学を読みました。その後、再発がんとの歩みをテレビで放映していたのを見て、「なんと強い人なんだろう!私には真似できない!」と勝手に思っていました。
しかし、百万回の永訣を読んで、そんな印象はぶっとびました。
強さと弱さ。
自分の病気をとことん知ろうという行為、そして、あらゆる治療方法を全国へ探しに行くこと。それは強さではない。
レセプション終了後で「この度はおめでとうございます。私も、自身、がん患者で、百万回の永訣には大きな衝撃と深い学びを得ました。」
「ありがとう。あなたはどこのがんなの?」
「乳がんです。今、<希望の言葉>を集めています。来年も行います。もし御賛同いただければ、一筆メッセージをくださいませんか。」と言いながら、依頼文を手渡しました。
にっこり微笑まれて受け取られたあと「あら、葉子ちゃんがなさっているのね(岸本葉子さん)」調子に乗ったきゃんべる。は、
「先生は講演活動などはなさっていますか?来年の春、暖かくなったら、私どもの会でお話しをいただくことはできませんか?」と聞くと、突然、顔が曇り、
「来年ね・・・。私、もう講演はしないことにしているのよ。ごめんなさいね。」と。
そして、足早に帰られました。
新聞には年明けからホスピスへ入っていたと書いてあったから、あの会話をしたときには、もう決断されていたんだろうな~と。
謹んで御冥福をお祈りします。
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コメント
はじめまして、ハートといいます。
ご冥福をお祈りしたいと思います。
そうですか、柳原さんが旅立たれていたのですね。私は昨年だったかは忘れましたがNH…の番組を拝見しました。そこで、ご友人が癌で緩和ケアに入院されていたところへ行かれて話しをされてるところを見ました。今ごろはご友人と会われているかもしれませんね。いろいろと治療に挑戦されていたのですが、お気の毒です……。西洋医学の治療においてかなり頑張っていたように見えました。
投稿: ハート | 2008年3月30日 (日) 23時24分