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2015年10月28日 (水)

病棟での日々

病棟へ入った時、私たちは、酸素が確実に届いていないのでは?だから苦しいのでは?という判断でした。実際、別の器具に交換すると最大で85しかなかったspo2が92ぐらいまでいきなり上がったのをみて、ほらやっぱり!身体じゃなくて機械が悪いんだよ!そんな希望を持ちました。

入院初日の昼は、家族で食事にでかけました。帰ってきて回診。入院の手続きなど、やることがたくさん。あっという間に一日が過ぎました。「池ちゃん、パソコンもってきて、横で仕事をしてもいい?」そう聞くと「うん、いいよ」。
そしてその日から、私はパソコンを病室に持ちこみ、打ち合わせは病院内カフェという生活がスタートしました。こういうとき、個室は本当に助かりました。

初日の夕方には、足りない用品、下着類や気分転換をするために、車いすを借りて地下の売店へ行きました。買ったものは全部、池ちゃんの膝の上に置き、「おかーさん、おまけ買ってもいいですか?」とふざけて言ったら「えええ~!」と言われました。おだやかな時間でした。

翌、火曜日の朝、病院へ到着すると手書きのメモを渡されました。「ごめんね、買ってきてくれるかな?」、「うん、いいよ、車いす、もってこようか?」と言うと「ごめん、今すぐに必要なの」、その意味がわかったので「OK!じゃあ、いってくるね!」と売店へ速攻しました。
午後は屋上庭園へ車いすをおして出かけました。久しぶりの外の空気は気持ちよく、池ちゃんの表情も晴れやかでした。「入院して良かったね、やっぱり、大変だったと思ったよ、自宅での生活は」、「うん、私もそう思う」。そんな言葉が互いから出ていました。

水曜日、病室で仕事をしていると、池ちゃんが「なおみさんが、私のことで会社に行けないこと、会社の人たちは心配をしていないかな・・・?」と。思いもよらない言葉でした。「会社の皆には病室を事務所にすること、伝えてあるから大丈夫だよ。みんな、池ちゃんとの時間をたくさんもってくれと言ってくれているよ。だから、心配しないでいいんだよ。」と言いました。
それから、夜中のトイレ事件について話をしてくれました。「夜中にトイレに入ったら、立ち上がれなくなってしまって。。。一時間ぐらい看護師さんを手間取らせることになって、なんか、半分切れていた・・・」と苦笑しながら話してくれました。「え?何があったの?」「家へ帰るために入院しているのに、こんなことじゃ家に帰れなくなっちゃいますよと言われての。で、しみじみ、『あああ、そうだよな~。言う通りだなよな~』って思った」。

私は「池ちゃんがこの入院で達成したい目標は何?」と聞くと「動けるようになること」と即答。「そうだよね。でも、どのぐらいが池ちゃんにとっての動けること?」と聞くと「ずっと思案。トイレかな~」「だよね。そうすると、往復で10mは歩けるようになりたいね。」「うんそうだね」「50m歩けたら、玄関までいけるようになるね」「そうだね!!」

戻ってきてからはお昼寝。オピオイドが効いている間、少し眠気がでるので、うとうとと寝ていましたが、そのときも呼吸が苦しそうでした。苦しそうな声と一緒に呼吸をする姿に涙がでました。

「お母さんが同じ薬を飲んでいたとき、すぐ寝ちゃうので怒ったことがあるのだけど、そのときの母の気持ちがいまとってもよくわかる。悪いことをしたなーと思っている。」と言って、「お母さん、何で亡くなったの?」と・・・お互いの母親病気&看病話をしました。

ゆたかな、おだやかな時間がこのまま流れると思っていました。

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